2010年2月8日月曜日

蜘蛛の日

おだやかな日
風はおさまって日差しは明るい。

小さなベランダの植木鉢をいじると裏から蜘蛛が這い出てきた。

密封されていたので、いつかオレが触った時に偶然閉じ込められていたのだろう。

寒さ続きでずいぶん長い間植木鉢には触らなかったぞ。
二三ヵ月もそのままだったはず。

ために、その間、蜘蛛は冷静に、不屈に、自らの脱出の可能性を放棄せずに、静まり返って待ち続けていたのだ。

来るか来ないかの偶然の機会を逃さぬように、馬鹿げた自身を持ち続けて。

われわれ人間にそんな事ができるのだろうか?

ノン。

向こう見ずな自身とか、そんなものは持てるはずがなかろう。

なにせ時間と空間に追われ続けてるのだから。


しかし蜘蛛にとって、時間も空間も、そんな定義すらなく、脱出の機会を不屈の魂で待ち続ける事になんら不自然さもない。

自身すらないわけだ。


人間も信じることによって、不可能を可能にできるのか。

こんな馬鹿げたボヤキをブログに入れたくなる。
たまに。

リュウスケ

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