おだやかな日
風はおさまって日差しは明るい。
小さなベランダの植木鉢をいじると裏から蜘蛛が這い出てきた。
密封されていたので、いつかオレが触った時に偶然閉じ込められていたのだろう。
寒さ続きでずいぶん長い間植木鉢には触らなかったぞ。
二三ヵ月もそのままだったはず。
ために、その間、蜘蛛は冷静に、不屈に、自らの脱出の可能性を放棄せずに、静まり返って待ち続けていたのだ。
来るか来ないかの偶然の機会を逃さぬように、馬鹿げた自身を持ち続けて。
われわれ人間にそんな事ができるのだろうか?
ノン。
向こう見ずな自身とか、そんなものは持てるはずがなかろう。
なにせ時間と空間に追われ続けてるのだから。
しかし蜘蛛にとって、時間も空間も、そんな定義すらなく、脱出の機会を不屈の魂で待ち続ける事になんら不自然さもない。
自身すらないわけだ。
人間も信じることによって、不可能を可能にできるのか。
こんな馬鹿げたボヤキをブログに入れたくなる。
たまに。
リュウスケ
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