2011年8月13日土曜日

『拾独詞調其の7 』

『ハナビ』

透明だった空は

暗闇に落ちる

空き地から子供らの声がして

花火は揚げられる

赤や緑や紫

五色玉がとめどもなく弾け

滝のように降りかかる

やがて花火の翼は

蠍のハサミとなって腕を延ばし

天秤となって傾いて

牡牛に伴われた七人の花嫁になって

煌めいた

仰ぎ見た夜空のパノラマに


花火だったのか

銀河の星雲だったのか

いまだに判らない



ナガトミリュウスケ
『拾独詞調』

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