2011年10月13日木曜日

アンビエント


先日、上野辺りに行く機会があったので不忍池をうろついた

前回に行ったときは冬景色
枯れた蓮の向こうから風が吹いてきて、缶コーヒー片手に縮こまっていた

しかし
今は秋風爽やかである

浮き島の奥まで来ると
日もくれてきた
暑くもなく寒くもない

薄暗いなかベンチに座る
秋の陽はつるべ落とし

不思議な気分になってくる

ぽっかりとした世界に意識が包まれてゆくのだ
すでに暗闇に包まれて
虫の鳴き声だけが聞こえる

ゆっくりと
感覚は [無] になってゆく

右も左も
上も下も、ない



もうそれは

自分であって自分でない
ボンノウですら、意味がない
云うならば、ほとけ様の境地

だが私も凡人
アンビエントな虫の声に包まれて
自分の意識が溶け込んでいくって事に気がつくと、その時点でほとけ様の境地からイッキに遠ざかる
うーむ、ムズイ!

しかし
少しは御釈迦様の世界
垣間見れたような気がする

360゜何処を向いても虫の声だ

じっと聞いて
チューハイを流し込む
現実に戻る


振り向けば、きんきらの御堂があった

リュウスケ

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