2012年5月17日木曜日

番外編の後半

ぷあ〜ぷあ〜ぶお〜
と、法螺貝を吹き〜の
メンバー登場!
三人の法螺貝隊、四人の黒い袈裟を着た僧侶、そして最後にキンキラのあでやかな袈裟を着たえらーい大僧正様の登場なのだ
八人の僧侶がステージに集まった

思わず拍手!ではなく
おごそかな気分で沈黙

先ずもって黒袈裟のかっぷくのいい僧侶がセンターにまろびでて御挨拶
護摩焚きの説明
そして黒袈裟が僕らの頭上に榊(さかき)を祓い祓い〜と(台詞は忘れたが)ふりふりする

うお〜なんてありがたいんだ!
と、しんみょうに合掌した僕らでした

続いてお経〜
役割分担といいましょうか、業界ではパートというのですか?
まあコーラス担当の僧侶が読経を始めるのです
ふ〜と、仏の世界観が身体全体に広がって、どこかへ吸い込まれそうな気分になる
それは遠くて近い、誰の心にもある慈悲の精神世界だ
と、いきなり巨大な和太鼓が
どぅおおーーん!
と、陶酔を破る
一同、尻が浮いた

たたみかけるように二台の和太鼓がリズムを刻みだす
中央の僧正が炎を焚きあげる
彼がリードボーカルだ!
無言のリードボーカルだ!
燃え上がる炎に浮かび上がる彼のはげた後頭部は言葉にできないくらいありがたい
その炎の向こうには不動明王像がこの世の煩悩を食い殺さんばかりの形相で我々さ迷える庶民をにらみつける
不動明王はある時は全体が膨張したかのように見えて、ある時は優しい姿に見える
トランスとはこう言う事なんでしょうか、いや、そんなちゃらい比喩は無駄でしょう、ここに『空海』の世界があるのだ

インド、中国をへて日本で昇華させた真言密教の世界がここにあるのだ

正面右には『胎蔵界』
左にあるは『金剛界』
ふたつの曼陀羅が暗がりできらめく
セックスに近い陶酔
リズムはさらに熱をおびてくる

お持ちのカバン財布など、護摩焚きの炎により邪を祓い浄化せしめん、と、云うことなので祭壇横にならぶ
しんみょうな顔のミタヒデキ氏

太鼓は乱れ打ち
護摩木が燃え上がり火の粉が高い天井に舞い上がっていく
俺の財布、燃やされるのか?
心配ご無用!護摩焚きの炎にかざすだけですよ

はあ嗚呼〜、ありがたいなあ

それぞれの祓いが終わって、もとの席に戻るとフリージャズ演奏が終わる

しかしなんだろうな?この静寂
すべてふくめて不思議な感覚
まだ耳の奥で演奏が続いているようだ
気分は高揚したまま、心地いい静けさに同調していくタマシイ
きゅうげきに、いやゆるやかに
それは解らない
河童に尻から肝っ玉を抜かれたような気分…抜かれた事はないが
生まれ変わった気分
遠くて近い慈悲の世界観のアンソロジーなどと訳のわからん言葉を並べ立てふらふらと退場す
だけど確かに今
この世を踏みしめて歩いている
地獄から天国、そして無常の浮き世まで今日一日のうちにトリップした僕らミステリーツアーの二人
凄い一日になった

まだ外は明るい
深川の町を散策

一軒の焼き鳥やに僕らは消えた
旨し、ナマビイル

とりあえず生きてて良かった

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